お役立ちコラム
お洒落空間と本格中華
中国のお酒で有名な“紹興酒”。
日本の純米吟醸酒、フランスのワインとならんで世界三大美酒と称されている。
中国でのお酒に関する歴史はまだはっきりとはしていないが、出土している陶器などの状況から紀元前4800年頃から紀元前2500年頃にはすでに酒造りが行われていたと言われている。
中国では約7000年も前から飲酒文化があったのかと思うと改めて中国の広さ、そして凄さを実感する。
その中でも紹興酒が作られている紹興では、2400年以上前の春秋時代には盛んに酒造りが行われていたと推測されている。
紹興酒は、上海の南に位置する浙江省にある紹興地区の特産品。
本来の紹興酒は紹興で作られたもののみを差し、それ以外の場所で作られた黄酒は紹興酒を名乗ることはできない。シャンパンと同様に産地呼称の1つなのだ。
しかし、日本で出回っている紹興酒は台湾産が多くなってきており、中国政府は“中華人民共和国原産地域産品”という原産地証明を2000年につけ、紹興の土地で作られたもののみが紹興酒であると政令を出しているほど。
中国のお酒はその原料と製法により白酒・紅酒・黄酒に分けられる。
白酒は穀物を原料とする蒸留酒、紅酒は果実を原料とする醸造酒、黄酒はもち米を原料とする醸造酒で、紹興酒は黄酒の一種に分類される。
紹興酒の飲み方としてはストレートはもちろん、オ・ン・ザロックやぬる燗など多岐に渡る。
ぬる燗にすることで紹興酒に多く含まれる乳酸の味わいがふくらみ、味わいがまろやかに。
熟成が進んでいるものは、赤ワインのように飲み口がすぼまった大きめのワイングラスで香りを存分に楽しみながら飲むのもおすすめ。
暑い季節にはソフトドリンクで割って飲むことも。
ジャスミン茶やウーロン茶などの中国茶割りは、より中華料理との相性も良く食事が進むことだろう。
最近では炭酸水で割ったチャイナハイボールや、コーラで割ったドラゴンハイボールなども見かけるようになった。
ちなみに、日本ではザラメを入れて飲むこともあるが中国ではザラメは入れない。諸説はあるが、日本人が飲みなれないお酒をザラメを入れることで飲みやすくした昔ながらの日本の風習と考えられている。
ザラメの代わりに干し梅を入れることはある。
紹興酒は年代が進むごとにまろやかで、深く繊細な味わいに変化する。その為、紹興酒の熟成年によって入れないほうが良い場合もあるが、干し梅の味わいが紹興酒にうつり幾分飲みやすくなる。
脂っこい中華料理に良く合い、その味わいを引き立てる紹興酒。悪酔いしないお酒とも言われている。
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
【ヘイフンテラス】
ザ・ペニンシュラホテル2階にあるヘイフンテラス。
中国江蘇省 蘇州の中国古典庭園をイメージした洗練された空間。
中国在住経験のある筆者からするとなんだか落ち着く空間でもある。
こちらでは日本の四季折々の食材を使用した伝統的な広東料理を頂ける。
シェフはザ・ペニンシュラホテルズ内で日本人で初めてエグゼクティブ チャイニーズシェフに就任した大崎竜氏。
ヘイフンテラスを含めたホテル館内の中国料理を全て監修している。
ミシュラン獲得レストランであるザ・ペニンシュラ香港のスプリングムーンの姉妹店として、ランチタイムには点心シェフがひとつひとつ丁寧に手作りする色彩鮮やかでバラエティに富んだ点心を楽しめる。
ディナータイムはより重厚感のあるメニューとなり、漁港直送の鮮魚や旬の野菜をふんだんに使った料理を楽しむことができる。
ビジネスの接待やプライベートな食事の際は、プライベートルームが3部屋用意されているので合わせて利用したい。
ここでは冒頭でも説明した紹興酒で有名な“古越龍山 陳醸花雕 10年 景徳鎮”を楽しんで欲しい。
古越龍山は1954年当時、製造量が最も多かった紹興市醸酒総公司と沈永和酒場とが統合して誕生した中国紹興黄酒集団会社の代表ブランド。
以来、中国国内はもとより日本を含めた世界中で愛飲されている。
1988年には中国外交部釣魚台国賓館より国賓接待酒指定銘柄に認定され、天皇皇后両陛下をはじめ、各国の元首など様々な賓客をもてなしてきた。
1915年のアメリカパナマ太平洋万国博覧会では金賞を受賞。
これを皮切りに、国内外の数々の品評会で金賞を受賞しており、海外でも高く評価されている。
紹興酒は英名を”Shaoxing rice Wine”と呼ぶ。
お米のワインと呼ばれるように、契約農家から厳選したもち米のみを使用した古越龍山も芳醇な味と香りを持つ。
甘味と酸味のバランスと口当たりの良さが特徴。
ワイングラスで常温で飲むことで、より香りを感じられ美味しく頂ける。
蘇州の風景と紹興酒と本格的なチャイニーズを是非。
ヘイフンテラス
住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-8-1 ザ・ペニンシュラ東京 2階
電話番号:03-6270-2888
営業時間:ランチ 火~土 11:30~14:30
日祝 11:00~15:00
ディナー 17:00~20:00
【チャイナブルー】
コンラッド東京28階にあり、店内から浜離宮恩賜庭園や東京湾など東京の景色を一望できるチャイナブルー。
その名前の通りレストラン内はブルーがテーマカラーとなっており、中国といえば赤という定説をひっくり返している。実際に中国では、旧正月など慶事の象徴色として赤が多用されている。
中華レストランにブルーを巧みに使った内装は斬新ではあるが、非常に品があり美しい。レストラン内にディスプレイされた高さ8mものワインセラーも圧巻で、インテリアの一部として成り立っている。
個室の種類は3種類。パノラマビューで東京湾の景色を堪能できる個室や、プライベート感を重視した落ち着いた個室、2面に渡る大きな窓から東京ベイエリアを一望する円卓の個室を用意している。
食事は数々の賞を受賞しているシェフ、アルバート・ツェが創り出す広東料理。モダンで洗練された味わいと斬新なプレゼンテーションは内装とも相まって、新しい中華料理を見せてくれる。
こちらは8mのワインセラーからも想像がつく通りワインの品揃えが豊富。
その中でも中華料理のインパクトの強さにも負けないHermitage Jean Louis Chave。
フランス南東部のローヌ川流域で造られる最高峰のシラーを産み出すエルミタージュ。限られた生産者の中でもトップクラスの人気を誇るのがジャン・ルイ・シャーヴ。
特筆すべきなのがアッサンブラージュの技術。畑はローヌ特有の急勾配な斜面にあり様々な土壌の畑があるが、エルミタージュに使われている同じシラー種でも6~7区画のブドウを絶妙な割合でブレンドすることで毎年ベストなワインを造り上げている。綺麗な酸、果実味、タンニンのバランスが取れた複雑な味わい。熟成させるほどその複雑さを増す非常にレベルの高いワインで、熟成向き。
手間をかけるが故もともと生産量が少ない上にロバート・パーカー氏が2003年に満点をつけたことで世界中の愛好家が争奪戦を繰り広げ、入手の難しい希少なワインとしても知られている。
ブルーで素敵な内装の中で、モダンな味わいを。
チャイナブルー
住所:〒105-7337 東京都港区東新橋1-9-1 コンラッド東京 28階
電話番号:03-6388-8745
営業時間:ランチ 11:30~14:30
ディナー 17:00~20:00