お役立ちコラム
【Numata’s special 簡単に作れるワインのカクテル♪と、歴史!】

こんにちは、恵比寿のワインショップ、ワインマーケット・パーティー店長の沼田です。
今回は簡単に作れる「ワインを使ったカクテル」について、その歴史などを少しだけご紹介していきたいと思います。
①キール
白ワイン(ブルゴーニュ産アリゴテ)4/5、クレーム・ド・カシス1/5
ワイングラスに冷やした白ワインにクレーム・ド・カシスを注ぐだけのこのカクテル。
1945年の第二次世界大戦終結直後、ブルゴーニュ地方ディジョン市の市長となったキャノン・フェリックス・キール氏が、ブルゴーニュ地方の特産酒2種類を使って、市民達に愛飲するよう提唱したのが始まり。
その後市長の名にちなんでキールと呼ばれるようになりました。
ほどなくして、パリでアペリティフ・カクテルとして人気を獲得、その後世界のレストランに広まりました。
当時二級品種的扱いをされていた酸味の強いアリゴテを美味しく飲む為のカクテルとして考案された、との噂もあります。
②ブラック・ヴェルヴェット
スタウト(黒ビール)1/2、発泡性ワイン(ブリュット)1/2
タンブラー、またはゴブレットに、冷やしたスタウトと冷やした発泡性ワインを、左右から同じ量をゆっくり注いでグラスを満たすこのカクテルは、1861年、イギリスのヴィクトリア女王の夫君プリンス・アルバートが逝去した際、ロンドンのブルックス・クラブが哀悼の意を表する為に考案した黒い色のカクテルです。
その後、ドイツ(プロイセン)の鉄血宰相オットー・ビスマルクがこれを愛飲した事から、ドイツではビスマルクと呼ぶ事もあります。
③ミモザ
シャンパン(ブリュット)1/2、オレンジジュース1/2
大型ワイングラスかタンブラーに、冷やしたシャンパンと冷やしたオレンジジュースを半々に注ぎ、ごく軽く混ぜ合わせたカクテル。
これは19世紀末、シャンパン商社ボランジェ社を貴婦人が訪れた時、新に出されたボランジェ社のシャンパンの強い個性と果実味があまり好みに合わず、急遽オレンジジュース割りにしたところ大変喜ばれたとか。
これをシャンパン・ア・ロランジュ(Champagne a l’Orange)と称してPRをするようになり、のちに出来合いの色がミモザの花の色を連想させるので、ミモザという相性が付き現在に至っています。
④ベリーニ
スプマンテ(プロセッコ)2/3、ピーチネクター1/3、グレナデンシロップ1tsp
タンブラーに冷やしたピーチネクターをとグレナデンシロップを入れ、混ぜ合わせる。
上から冷えたスプマンテを2倍の量注ぎ、もう1度軽く混ぜ合わせるカクテル。
ベリーニは16世紀ヴェネツィア派の画家の名前。1948年、ヴェネツィアでベリーニ展が開かれた時、同地のハリーズ・バーのオーナー、ジュゼッペ・チプリアーニが考案したカクテル。
とても華やかで口当たりの良い、誰にでも楽しめる味わいが魅力的です。
ワインのカクテルは様々なものがありますが、造り方は知っていても歴史まではなかなか勉強しないもの。
こういった話を頭に入れながら飲むのも楽しいのではないでしょうか?
それではまた。
【執筆】沼田 英之
WINE MARKET PARTY 店長
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