お役立ちコラム
山梨ワイナリー巡り ~Part1~
日本で醸造される日本ワインは、最近まで国産ワインや日本ワインなど様々な呼び方をされてきた。
しかし、2018年から国税庁が定める果実酒等の製法品質表示基準により”日本ワインとは、国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒”と基準が設けられた。
そんな日本ワインをつくるワイナリーの数は、山梨県がだんとつトップ、次に長野県、北海道と続く。
日本のブドウ栽培は棚仕立てが主流。ワイン用ブドウの栽培は垣根仕立てが一般的で、日本でも垣根仕立てを採用する栽培者も増加傾向ではあるが、日本の気候条件などから主に棚仕立てで栽培が行われている。
山梨県のワイナリーは約80ほどあるが、山梨県甲州市勝沼のワイナリーの中からいくつかを紹介していこうと思う。
新宿から勝沼ぶどう郷駅までは電車で約2時間ほど。東京から勝沼ICまでも90分程で到着する。
ワイナリーでぜひワインの試飲をしたいのであれば、電車かバスで行くことをおすすめする。
飲酒運転だけはしないように注意。車で行かれるのであれば、泊まりでゆっくり観光して帰るのも。
ワイナリーが集まっているエリアは勝沼ぶどう郷駅からタクシーで10分弱。
朝出発すれば日帰りでワイナリーをいくつかまわることが可能なので、今回は著者が訪れたワイナリーを実際にまわった順番で紹介していこう。
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
【 ルミエールワイナリー】
こちらは住所はぎりぎり笛吹市になるが、勝沼のワイナリーが集まっているエリアにある。
勝沼ぶどう郷駅からタクシーで10分ほど。
1885年創業と歴史あるこちらは広大な敷地に甲州、シャルドネ、メルロ、プチ・ヴェルド、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランなどを栽培している。
ショップにはテイスティングマシンが設置されていて、店頭で専用カードを受け取ったらワインの品質が保持されているサーバーから好きなワインを注ぐことができる。
試飲後にレジで精算というスタイル。
好きな量を好きなだけ飲める。
こちらの見学ツアーもおすすめで30分500円となんとワンコインで、日本式の棚仕立てのブドウ畑や醸造棟、文化財にも認定された石蔵発酵槽や地下セラーを案内してくれる。
ツアーの後は併設されているレストラン ゼルコバでランチも頂ける。
開放的な店内で自然豊かな山梨の食材を生かしたヤマナシ・フレンチをルミエールのこだわりの芳醇なワインとともにゆったりとした時間を楽しめる。
ルミエールワイナリー
住所:山梨県笛吹市一宮町南野呂624
電話番号:0553-47-0207
営業時間:9:30~17:30
【 勝沼醸造株式会社】
お次は歴史を感じさせる築140年の日本家屋が母屋の勝沼醸造。
ルミエールからは歩いて10分ほど。初代社長が製糸業を営むかたわらワインの個人醸造を始めたのが1937年。
帝国ホテルのソムリエがブレンドを手掛けたオリジナルブレンデッドワイン峡東は有名で、甲州やマスカット・ベリーAを栽培している。
ワイナリー入り口の黒色の暖簾をくぐると、目に入るのはテイスティングカウンター。
その奥にはワインが飲めるテラスもある。
入ってすぐの蔵には、貯蔵庫、グラスギャラリーも。
ぶどう畑を見渡せるやレストランテではゆっくりとワインを楽しめる。
テイスティングコースは1人あたりカード代500円を含む税込1,500円。
時間は最終受付16:00の10:00~16:30で、基本的には要予約。
カード式のワインサーバー約20種類の中からワインリストを見ながら、好みのワインを1,000円分テイスティングできる。
1,000円じゃまだまだ飲み足りないという場合はチャージをすれば気が済むまでワインを試せる。
小川のせせらぎやぶどう畑が見渡せるテラスで、ゆっくりとワインを楽しめる。
貯蔵庫やリーデル社のハンドメイド製品を集めたグラスギャラリーも自由に見学可能。
さらに、毎月第二土曜日限定でスタッフコースも開催。
2時間半のコース内容は2階のグラスギャラリーで、甲州ぶどうの栽培や歴史について学んだり、良いぶどうができる土壌と栽培方法についても聞ける。
また、どんな料理にどんなワインが合うかも分かるように色、香り、味わいからワインと向き合う方法も教えてもらえる。
勝沼醸造株式会社
住所:山梨県甲州市勝沼町下岩崎371
電話番号:0553-44-0069
営業時間:9:00~16:00
【 蒼龍葡萄酒 SORYU WINERY】
勝沼醸造から歩いて10分ほど。オレンジ色の屋根が特徴のおしゃれな建物。
1899年創業。勝沼町を流れる日川沿いに畑を所有しており、ぶどう品種は甲州を始め、甲斐ノワール、シャルドネ、メルロ、プチ・ヴェルドが棚仕立てで栽培されている。
1階の売店はゆったりと広く、店内入って右側に設けられた試飲コーナーでは、約40種のワインの試飲を楽しめる。
なんと全て無料で。
プラカップが置いてあり、冷蔵庫から好きなワインを取り出して自由に飲むスタイル。
赤、白、ロゼ、無添加ワインなど何種類をも気軽にテイスティングにできるのは嬉しい。
ワイナリー訪問はオーナーや醸造家、ワインアドバイザーが、ワインの醸造工程を説明しながら、ワイナリー内を案内してくれる。
醸造場、ボトル詰め作業場、地下のワインカーヴなどを40分程で見てまわる。
事前に電話で予約を。
蒼龍葡萄酒 SORYU WINERY
住所:山梨県甲州市勝沼町下岩崎1841
電話番号:0553-44-0026
営業時間:8:30~17:30
【 シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー】
甲州でも特に有名なこちらは1877年にシャトー・メルシャンのもととなる大日本山梨葡萄酒会社が創立。
蒼龍葡萄酒からは歩いて2~3分。
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネ、甲州などワイン醸造用ブドウ20種類以上を栽培している。
ヴィンヤードをはじめ、醸造所、ワイン資料館、カフェ、テイスティングカウンター、ショップ等の施設を備えたシャトー・メルシャンの基幹となるワイナリー。
歩いて1~2分の距離ではあるが、ビジターセンターとカフェやショップが少し離れているので注意。
ワイナリーツアーは2種類。ツアー参加時にはビジターセンターへ。
ワイン造り、ブドウ栽培およびテイスティング3種が出来るスタンダードツアーが60分1,000円。
醸造施設とブドウ栽培やテイスティング6種を通して、シャトー・メルシャンの隅々までを堪能できるプレミアムツアーが90分3,000円。
テイスティングも含まれたツアーは一見の価値あり。
テイスティングカフェ、ショップ、ワイン資料館などは予約不要で気軽に立ち寄れる。
テイスティングではワイナリーのみで販売している限定ワインをはじめ、常時20種類以上のグラスワインを用意。
フードもある為、間近でぶどう畑を見ながら休憩がてらテラスで一息つきたい。
併設されている1904年に建てられた現存する日本最古の木造ワイン醸造所は、シャトー・メルシャンワイン資料館となっている。日本ワインの誕生・変遍や、シャトー・メルシャンの歴史を知ることができる。
明治期以降に実際に使われていた醸造器具や日本最古のワインの展示、ラベルの変遷など、先人たちの軌跡・功績を知ることができる。
シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー
住所:山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1(ビジターセンター)
電話番号:0553-44-1011
営業時間:ビジターセンター 9:30~16:30
ワイン資料館 9:30~16:30
ワインギャラリー、テイスティングカフェ 10:00~16:30
ワインショップ 10:00~16:30