本州の最北端に位置し、三方を海に囲まれた青森県は、大自然の恩恵を受けた一級品の食材が集まる食の宝庫である。その中心地である青森市の繁華街・本町の一角に佇む「evie(エヴィエ)」は、地元の生産者への深い敬意と卓越した感性によって、青森の四季の移ろいを一皿に表現し続ける実在の高名なフレンチレストランである。ここは、地産地消という言葉が定着する遥か前から「青森の豊かな食文化をフレンチの技術で発信する」ことを追求し、地元の美食家のみならず全国の熱心なフードラバーを魅了し続けている至高の名店である。

優しく灯る明かりに誘われて店内へ一歩足を踏み入れれば、そこは都会の喧騒から切り離された、温かみと洗練が同居する心地よい空間が広がっている。華美な装飾をあえて抑え、落ち着いた色調で統一されたインテリアは、これからテーブルに運ばれてくる主役である料理を最も美しく引き立てるための意図が感じられる。オーナーシェフである佐藤氏のアットホームでありながらも、隅々まで目配りが行き届いた真摯なおもてなしの精神が、大人のための贅沢な隠れ家としての心地よい緊張感とリラクゼーションを絶妙なバランスで演出している。

「evie」が提供する料理の最大の魅力は、シェフ自らが毎日のように産地へと足を運び、信頼を寄せる生産者から直接仕入れる驚くほど鮮度抜群の「青森食材」の力強さにある。陸奥湾の穏やかな海が育んだ肉厚で極上の旨味を持つホタテ、八甲田の清らかな環境が育てた風味豊かな山菜やハーブ、そして大間をはじめとする近海で獲れた一級品の魚介類や地元のブランド肉。これらがフランス料理の正統な技法をベースにしながらも、食材のポテンシャルを極限まで生かすための自由でモダンなアプローチによって、驚きに満ちた芸術的なコースへと昇華していく。

そして、この贅沢な料理の世界観を完成させるのが、熱意を持ってセレクトされた素晴らしいワインの数々である。フランスを中心とした世界の銘醸ワインはもちろんのこと、特に力を入れているのが、青森の風土が育んだ「日本ワイン」や地元のクラフトシードルとのペアリングである。下北半島の厳しい自然の中で醸造される洗練された味わいの「下北ワイン」をはじめ、青森のぶどうが持つポテンシャルを見事に引き出した珠玉の日本ワインが揃っており、郷土の食材が持つ繊細な余韻に寄り添う、ここでしか体験できない唯一無二のマリアージュを提案してくれる。

「evie」は、単に洗練されたフランス料理を愉しむ場所にとどまらず、青森という土地が持つ果てしない豊かさと、そこに生きる生産者たちの情熱を五感すべてで体感できる食のユートピアである。網の上で美しく仕上げられる一皿を眺め、厳選された地元産のワインを傾けながら、北の大地がもたらす美食の奇跡に酔いしれる。そんな、心に深く刻まれる贅沢でクリエイティブなディナーのひとときを過ごしに、ぜひ一度この特別な空間へ足を運んでみてはいかがだろうか。