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日本酒特集

カテゴリ:コラム 投稿日 2022/12/15

●リード


外国人ゲストのおもてなしにも◎日本酒の奥深き世界を堪能できるスポット5選!


アルコール飲料の国内消費が伸び悩んでいると言われる一方、海外では日本酒の人気が高まっているのをご存じだろうか。外部からの視点を持って、自身の魅力を知ることはままあるが、日本酒の世界も然りかもしれない。テロワール(土壌や風土)の酒といわれるワインに対し、技術の酒と言われる日本酒。豊潤でふくよかな純米酒に、香り高くフルーティな吟醸酒、複雑な発酵の香りに魅了される生酛づくり…。知れば知るほど面白い、深遠なる日本酒の世界を堪能できるスポットをご紹介!


 


日本酒ギャラリー 壺の中


住所:東京都渋谷区道玄坂1-6-5 東静ビル3階


電話:03-6455-3185


営業時間:18:00~23:00


定休日:日曜・月曜・祝日


http://tsubo-no-naka.com/


 


★日本酒72種飲み放題3,300円!外国人にも人気のセルフスタンディングバー


より多くの日本人に日常的に日本酒に親しんでほしい。日本酒の素晴らしさを再発見し、日本酒を愛し、我が国の優れた文化として誇りに思うようになってほしい。そんな想いを胸にオーナーの石堂さんが日本酒ギャラリー壺の中をオープンしたのは2016年のこと。経営コンサルタントを経て第二の人生に日本酒の輸出をと考えていた時に、国内での日本酒消費量の低下、若者の日本酒離れを知りそう思い至ったという。


「そのためには、日本酒が理解の難しいものや敷居の高い存在であってはダメ。キーワードはカジュアル・リーズナブル・スタイリッシュ。そこを追求すると、スタンディングで飲み放題というスタイルになりました」



以前クラフトビールのスタンディングバーだったというおしゃれな空間で提供するのは、全国の日本酒72種を飲み放題で楽しめる2つのコースのみ。開店(18時)から閉店(23時)まで飲み放題の「飲み比べ放題コース」3,300円と、21時半以降の入店客を対象とした「駆け込み飲みおさめコース」2,200円だ。いずれもラストオーダーは22時半、おつまみや料理は無料で持ち込みOK、近隣飲食店のデリバリーメニューも置いているのでしっかりとした食事を楽しむこともできる。


★好みの日本酒を自分で注ぐセルフスタイルで


まずは入り口で支払いを済ませ、好みの猪口かグラスをチョイス。「本日の銘柄」のシートを見ながら、もしくは冷蔵庫にズラリと並ぶ一升瓶を眺めながら、好みの日本酒を自由に注いで楽しむ、というスタイルだ。「60mlほど入るグラスですが、少量ずつ色々テイスティングされる方が多いですね。平均でお一人14~15種類ぐらいでしょうか」と石堂さん。


選んだ日本酒を自分で冷蔵庫から取り出し、冷蔵庫前のテーブルで注ぐ。大きなテーブル上で、自分で注ぐセルフの飲み放題にしたことで、客同士の自然な交流が生まれるというのも面白い。「多くのお客様が日本酒を楽しむという目的意識を持って来店されるので、日本酒という共通の話題で打ち解けやすいのだと思います」



テーブル上には話がはずむアイテムも用意されている。7種の塩だ。「塩をアテに飲んでいた昔のスタイルも、非日常のひとつとして楽しんでいただければ」。石堂さんの友人であるソルトマイスターが日本酒に合わせて選んだ日本の塩は「土佐の海の天日塩」「小笠原の塩」など、充実のラインナップ。「よくおすすめは?と聞かれますが、味の好みは人それぞれ。実際にご自身で試してお気に入りの組み合わせを発掘していただきたいですね」と石堂さん。



★定番人気から季節酒やレアな銘柄まで幅広いラインナップ


気になる銘柄だが、「日本全国の都道府県のものをなるべく置くようにしています。『伯楽星』『冩樂』など、有名銘柄を混ぜながら、希少酒や知る人ぞ知る銘酒など、ほかではあまり見かけないようなものもご用意しています。季節感を大切にしているので、ラインナップは頻繁に変わりますよ。いつご来店いただいても新しいお酒に出会っていただけると思います」



店の中央にはピアノがおかれ、毎週ライブ演奏が行われているほか、鮨や蕎麦や牡蠣のイベントなど楽しい催しも多く開催している。英語が堪能な石堂さんが日本酒について英語でレクチャーしてくれるので外国人の客も多いというこちら。外国人の友人を案内しても喜ばれそうだ。


 


美食酒彩 卯月


住所:東京都江東区門前仲町2-9-5


電話:03-6458-5523


営業時間:11:30~14:00 17:00~23:30(LO. 22:30)


定休日:不定休


https://www.ugetsu.jp/



★骨董ミュージアムのような非日常空間で、東京地酒の飲み比べ


四天王の一柱「増長天」が配されたエントランスを入り、通路を進むと迎えてくれる骨とう品の数々。店内のカウンターには源氏物語をモチーフにした帯が敷かれ、地下へと続く階段横には鎧兜と日本刀に笠と蓑。お宝いっぱいの、さながら美術館のような非日常感あふれる空間で、季節の和食とともに楽しみたいのが、店名を冠したオリジナル清酒「卯月」と、東京の地酒を取り揃えた「東京清酒コレクション」だ。東京で醸された、作り手の想いが息づいた日本酒が7種類ラインナップしている。




★東京の地酒が7種類ラインナップ


「意外と馴染みのない身近な名酒を堪能してほしい」と店主が厳選したランナップは、青梅市・小澤酒造の「澤乃井 純米大辛口」、府中市・野口酒造店の「國府鶴 純米九兵衛」、あきる野市・野崎酒造の「喜正 純米酒」、あきる野市・中村酒造の「千代鶴 特別純米 奥多摩」、八王子市・小沢酒造場の「八王子城 純米酒」、東村山市・豊島屋酒造の「純米無濾過原酒 十右衛門」、福生市・田村酒造場の「喜泉 特別本醸造 まぼろしの酒」の7銘柄。



「利き酒セット」(1,000円)で好みの3種を飲み比べて楽しむことができるのでぜひ試してほしい。



★東京地酒とともに和食一筋20年の料理長が紡ぎ出す季節の美味を


供される料理も、この豪勢な空間にふさわしい、格式ある美食の数々。和食一筋20年の熟練料理長が紡ぎ出すのは、日本の四季折々の食材が主役の、愛でて愉しい食しておいしい繊細和食。豊洲市場から吟味した鮮魚を仕入れ、五感を研ぎ澄ませて厨房に立つ。信条は「旬食材の持ち味を生かしきること」。そのために日々食材と対話しながら、そのおいしさを最大限に引き出している。



季節の旬鮮魚の「刺身5点盛り」は3,000円~。「江戸前握り」は、お吸い物付き1,500円。丁寧な仕事が施されたネタと、口に入れた途端ほどけるシャリとのバランスが絶妙だ。鮮魚のうま味を多角的に楽しめるメニューも充実しており、土鍋で炊き上げた「鯛めし」、江戸前あさりを使用した「瓦焼きそば」は常連客に愛される名物料理。その時期だけの季節のメニューもぜひともチェックしてほしい。


 


未来日本酒店&SAKEBAR


住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコB1F


電話:03-6455-3975


営業時間:月~日、祝日: 13:00~23:00 (料理L.O. 22:00 ドリンクL.O. 22:00)


定休日:施設の休業日に準ずる


https://shibuya.parco.jp/shop/detail/?cd=025748



★久保田の多彩な銘柄を筆頭に、日本各地の酒120種以上!


「気軽にオシャレにかっこよく久保田を楽しむ」をテーマに、渋谷PARCO内の、「食・音楽・カルチャー」をコンセプトにした地下1階レストランフロア「CHAOS KITCHEN」に誕生した「未来日本酒店/KUBOTA SAKE BAR」



「日本酒って実はかっこいい。米と水という自然の恵みだけを使って手造りで人の心と心を繋ぐ液体が醸される。私たちは綺羅星のように輝く蔵元とその新しい挑戦を応援し、SAKEの未来を共創したい」。そんなオーナーの想いを形にしたこちらで楽しめるのは、120種ほどもある全国の日本酒。新潟の銘酒「久保田」の多彩な酒を筆頭に、知る人ぞ知る小さな蔵元が醸す酒や、まるでリキュールのような琥珀色の熟成酒、水の代わりに酒で仕込んだ、独特のとろみのある甘口の貴醸酒など、多彩な味わいの美酒が並ぶ。


★1番人気は「60分利き酒師放題コース」2,750円


1杯550円から注文できるほか、「2種飲み比べセット」800円~、「3種飲み比べセット」1,000円~を用意。1番人気の「60分利き酒師放題コース」2,750円では、日本酒のほかにリキュール、甘酒などなんと120種以上のお酒が唎き酒し放題だ。店内の一角にあるストッカーから好みの瓶を取り出して自身で注ぐセルフサービスで、1杯注いで飲み終わったら次を注ぐ、というスタイル。にごり酒や果物のお酒など、変わり種も多く、あれもこれも試したくなること必至。ちなみに筆者は1時間で17種類を制覇したが、延長する人も多いのだとか。



また、こちらで注目なのが、AIが日本酒の好みを測定してくれる「YUMMY SAKE」2,000円プログラム。まず10種類の日本酒をテイスティングし、それぞれのお酒について5段階評価をすると、その結果に基づいて自分に合う「久保田」の銘柄がわかるというもので、仲間同士で行うと盛り上がりそうだ。



「しっとり鶏胸肉の林檎ソース」「揚げない牛カツ」など、酒肴メニューも充実しており、1品500円から。サクッと立ち飲みから仲間とワイワイまで、幅広いシーンにフィットする、使い勝手の良さも魅力だ。渋谷での使える店リストにぜひ加えておいてほしい。


 


日本の酒情報館


住所:東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル1F


電話:03-3519-2091


営業時間:10:00~18:00


定休日:土・日・祝日・年末年始


https://www.japansake.or.jp/sake/know/data/



★日本酒50種以上!1杯100円の飲み比べも楽しい日本酒ミュージアム


 歴史と文化を含む日本酒・本格焼酎・泡盛の魅力のすべてを「見て・触れて・体験する」ことを通じ、世界中の人に知ってもらうことを目的に日本酒造組合中央会によって設立された「日本酒情報館」。日本酒の歴史や文化にまつわる展示を観賞することができるほか、日本酒をメインに焼酎やリキュールなどを飲み比べで楽しむことができる、酒好きにはたまらないスポットだ。



場所は新橋と虎ノ門の中間あたりに位置する日本酒造虎ノ門ビル1F。ガラス張りの開放的な空間に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、天井に飾られた大きな木桶と、壁面は漆器をイメージした色彩の和モダンな壁面に並ぶ日本酒や焼酎。そして2つの大きなモニターには酒蔵や酒にまつわる動画が映し出されている。酒ミュージアムの機能も持つこちらでは、代表的な酒米である山田錦と一般米の違いや精米歩合の違う酒米の模型などが展示され、酒造りについて深く知ることができる。酒造りに使う櫂棒や半切り桶と呼ばれる道具も展示してあり、実際に触れることも可能だ。



酒造りについて一通り学んだ後のお楽しみは飲み比べだ。館内には試飲用のテーブルが用意され、座ってゆっくりと楽しむことができる。メニューを見ると、その充実ぶりに驚く。本日のおすすめセットだけでも5種(大吟醸セット・バラエティセット・焼酎5種セット・焼酎バラエティセット・リキュールセット)があり、それぞれ3~5銘柄がセットになっており、なんと利き猪口1杯(30ml)が100円からという良心価格。日本酒造組合中央会が運営する施設ならではだろう。



そのほか、生酛純米・普通酒・吟醸・純米熟成・純米など、タイプ別の飲み比べができる「日本酒5種セット」(500円)は入門編としておすすめ。さらに1杯(30ml)100円から注文できるアラカルト銘柄がなんと80種ほども。定番のものからにごり酒や貴醸酒、熟成古酒、樽酒などまで様々なタイプ、産地のものが用意されており、あれもこれもと試したくなること必至だ。



焼酎の品揃えも、米・麦・芋・黒糖・泡盛、そしてそばや栗まで40種以上。こちらも1杯(30ml)100円から。そのほかリキュール、伝統製法で醸されたみりんも3種類試飲できる。



頻繁に取り扱い銘柄が変わるので、何度訪れても新しい味に出会えるのも魅力。常駐するコンシェルジュが酒蔵ツーリズムに関する情報、各地で開催されている様々な酒のイベント情報、酒が買える店の情報なども教えてくれるので気軽にたずねてみてほしい。


 


門前仲町 酔月


住所:江東区富岡1-5-1 


営業時間:15:00~23:30 (LO. 22:30)


電話番号:03-5620-1123


定休日:不定休


https://www.suigetsu.tokyo/



★新潟のカップ酒50種!季節の酒肴もうまい下町の名店


門前仲町駅から徒歩1分。飲食店がひしめき合うこの界隈で、日本酒好きを惹きつけてやまない居酒屋が「門前仲町 酔月」だ。風情あるエントランスを一歩入ると、目にとびこんでくるのが店内の至る所に配された、神輿やアンティークの調理器具など、お宝アイテムの数々。非日常感あふれる、まさに下町の粋を体感できるお祭り酒場、といった趣だ。


「江戸の情緒が残る下町・門前仲町で、粋でいなせな江戸の心意気とともに、下町らしい美酒と美食を楽しんでください」と店長。



そんな同店の代名詞ともいえるのが、50種の新潟限定カップ酒。壁に並べられた50種のカップはまさに圧巻だ。宝山酒造、朝日酒造など、酒処・新潟の有名蔵元が地元で出しているカップ酒は一律550円。名門のセカンドライン的な酒を気軽にカジュアルに楽しめるのが魅力だ。



どれを飲むか悩ましい品揃だが、詳細が解説された説明書きを読んで決めるもよし、カップのデザインで決める人も多いそうだ。カップのデザインも個性豊かで、コレクションしたくなるほど。しかも基本的に県内でしか流通していない銘柄、となると、酒好きならずとも、全種類試したく(集めたく)なる。



一緒に楽しみたい料理も粋な逸品が勢ぞろいだ。腕を振るうのは、ホテルや会席料理、割烹など格式ある日本料理の世界で腕を磨いてきた二人の料理人。多彩な引き出しを持っているだけに、丁寧な手仕事で紡ぎ出される正統派の味に加え、カップ酒がすすむ、ジャンルの枠を超えた季節の酒肴がラインナップ。グランドメニューのほか、季節のおすすすめや旬の鮮魚、創作酒肴など、80種以上のメニューが揃う。板長自ら豊洲市場に足を運び、目利きする鮮魚の刺身や、冬の限定メニュー「クエ鍋」(1人前3,500円)や、熊本直送の馬刺しなど匠の技と厳選食材が奏でる極上の味が楽しめる。



下町の粋が息づいた、行きつけにしたい隠れ家居酒屋、ここにあり!日本酒好きならずとも満ち足りたひと時を過ごせる名店だ。


 

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