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【Numata’s special】 デキャンタージュの意味について

カテゴリ:ピックアップ店舗 投稿日 2021/10/03

 こんにちは、恵比寿のワインショップ、ワインマーケット・パーティー店長の沼田です。


 


今回は家ではあまり行う事は無いかもしれませんが、ワインをガラスの瓶に移し替える「デキャンタージュ」についてお話していきたいと思います。


 


どこかで聞いた事はあると思いますが、デキャンタージュとは本来「上澄みを取る」という意味。


 


長期熟成したワインの沈殿した澱を取り、上澄みの澄んだ部分だけを移し取る作業ですが、古いワインのみをそうするものと考えていらっしゃる方も多いかもしれません。


 


しかしデキャンタージュはそれだけの為ではありません。


 


個人的には4つの意味があると考えています。


 


① 熟成したワインの澱と上澄みの綺麗なワインを分ける


② ワインを空気と触れさせ、飲み頃の味わいに近づける


③ 上澄みと底のワインの味わいが違う為、ワイン会などで全員が同じ味わいのワインを飲めるようにする


④ 一つの演出としてお客様の期待感を膨らませる


 


 


① の場合


熟成すると澱(タンニンやポリフェノール、たんぱく質などが熟成中に結合したもの)がワインボトルの底に沈殿します。


飲んでも害はないのですが、美味しい物ではありません、その為、15年~20年以上熟成したワインの場合は上澄みと澱を分ける為にデキャンターを使用します。


この場合、すでに熟成しているので、それ以上酸化させないよう、できるだけ小さなデキャンターで、蓋のある物を使うと良いでしょう。


 


 


② の場合


葡萄品種の特性にもよりますが、ワインは若い内は渋味が強く、熟成して円やかに、優しくなっていくというのが一般的です。


よく聞く「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「シラー」といった葡萄品種はタンニン(ポリフェノール)の含有量が高く、若い内は骨格のあるムキムキで筋肉質な印象、それを空気と接触させる事で、スーツの似合う大人に・・・より飲み頃の味わいに近づけていきます。


こういった濃いワインの場合は、空気と多く接触させるよう、デキャンターは底の大きな液面の広がるタイプを選ぶのが良いと思います。


あまりにも濃く、力強いタイプのワインであれば、もう一度別のデキャンターに移し替えるダブル・デキャンタージュをする事も・・・なくはありません。


 


 


③ の場合


皆様、ワイン会などを行う事がありますよね、そんな時、最初に注いだ人と最後に注いだ人、どちらのワインが美味しいと思いますか?


ボトルでワインを飲んでいると「1杯目よりも2杯目の方が美味しい」とか「最初は香りが無かったけど開いてきた」とか、色々と経験があると思います。


実際ゆっくり休ませていたボトルを同じグラスに6杯注いで試して頂けるとわかると思うのですが、ワインの真ん中~底にいけばいくほど、ワインの味わいは濃くなっていきます。


これはお茶と一緒ですね。


ですから、「同じワイン」を皆で共有したい場合は、一度デキャンタージュをしてから注いでいく事をお薦めします。


ちなみに、私がレストランで働いていた時はホストテイスティングをしていただいた後、ゲストに注がず、そのままもう一度ホストに注いでおりました。


そこで上記の話をし、「ゲストの方には美味しいワインを注ぎたいので」と、お客様との会話の種にしていました。


 


 


④ の場合(レストラン側の視点ですので覚える必要は無いと思いますが念のため)


上記の条件いずれかに当てはめる事になりますが、どんな場面であってもデキャンタージュは必ずゲストの承認が必要であり、信用を頂いて行う仕事です。


お店によってはゲストから見えない場所でのデキャンタージュになる事もありますが、丁寧に、綺麗な所作で、お客様に良い印象を残すようにする事が大切です。


実際、ワイナリーではかなり乱暴なデキャンタージュをする事もありますが、レストランでは音は立てず、静かにデキャンタージュするのが望ましいでしょう。


ボトルもデキャンターもガラスでできている為、カチンと音を立てないよう心がけたいところ。


一つのパフォーマンスとして、そのテーブルの贅沢感を演出し、より美味しくワインを召し上がっていただく為のテクニックの一つ。


一般的にデキャンタージュを行わなくてよいワインでも、家でのパーティーやワイン会の一つの演出として、スマートにデキャンタージュを行えると盛り上がりますね。


私はたまに、シャンパーニュをデキャンタージュしたりして楽しんでいます。


※ライトやパニエを使った詳しいプロのデキャンタージュの仕方についてはまたどこかで・・・


 


 


上記のような事を踏まえ、色々な意味でデキャンタージュをし、ワインの味わいの変化を楽しんでみるのも楽しいのではないでしょうか?


 


コンビニに売っているワインでも、とても美味しくなる事が多いですよ。


 


それでは。


 


 


 


 


【執筆】沼田 英之


WINE MARKET PARTY 店長


〒150-0013


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恵比寿ガーデンプレイスB1F


TEL:03-5424-2580


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